【醜状障害|部位別の後遺障害認定】

瘢痕など外見劣化の障害

醜状障害についてまとめました。

 

  • 醜状障害の基礎知識
  • 醜状障害の後遺障害等級表
  • 用語の定義と等級認定ルール
  • 認定上の争点になりやすい問題

 

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醜状障害の基礎知識

醜状障害とは、縫い痕やケロイドなどで外見が醜くなることです。

 

身体機能的な問題は生じませんが、内容によっては就職機会が減り、当人も苦しみます。

 

醜状の種類としては瘢痕、線状痕、組織陥没などがあります。

 

醜状障害の後遺障害等級表

醜状は事故から直接生じたものだけでなく、手術や処置のために生じたものも認定の対象になります。

 

部位別に4つに分類された上で等級評価されます。

 

  • 外貌の醜状
  • 上肢の露出面の醜状
  • 下肢の露出面の醜状
  • その他の部位の醜状

 

外貌の醜状については、平成23年の改正前は男女差がありました。

 

女性の方が影響が大きいとされていたのです。

 

今では男女差はなくなっています。

 

外貌の醜状
等級 改正前 改正後
第7級  女子の外貌に著しい醜状を残すもの  外貌に著しい醜状を残すもの
第9級  -  外貌に相当程度の醜状を残すもの
第12級

 男子の外貌に著しい醜状を残すもの
 女子の外貌に醜状を残すもの

 外貌に醜状を残すもの
第14級  男子の外貌に醜状を残すもの  -

 

上肢・下肢
等級 後遺障害
第14級

 上肢の露出面にてのひらの大きさの醜い痕を残すもの
 下肢の露出面にてのひらの大きさの醜い痕を残すもの

 

用語の定義と等級認定ルール

「外貌」とは、頭部・顔面部・頸部のように、上肢・下肢以外の日常露出する部位を指します。

 

表現

定義

「著しい醜状を残すもの」

【頭部】

  • 手のひら大(指含まず掌のみ)以上の瘢痕
  • 頭蓋骨の手のひら大以上の欠損

【顔面部】

  • 鶏卵大面以上の瘢痕
  • 10円銅貨大以上の組織陥没

【頸部】

  • 手のひら大以上の瘢痕
「相当程度の醜状」 原則として「顔面部の長さ5cm以上の線状痕で、人目につく程度以上のもの」
「醜状」

【頭部】

  • 鶏卵大面以上の瘢痕
  • 頭蓋骨の鶏卵大以上の欠損

【顔面部】

  • 10円銅貨大の瘢痕
  • 長さ3cm以上の線状痕

【頸部】

  • 鶏卵大面以上の瘢痕

 

等級認定の対象になるためには、人が醜いと思う程度以上が必要で、髪やまゆ毛に隠れる傷は対象外です。

 

顔面神経麻痺による「口のゆがみ」は神経症状であるにもかかわらず、単なる「醜状」として扱われます。

 

その一方で眼瞼不能は外貌に影響するにも関わらず、目の障害として扱われます。

 

眼瞼や鼻の欠損障害は、眼瞼や鼻の障害で定められている等級と醜状障害で定められている等級のうち、高い方を取ります。

 

このほかにもいくつかのルールがあります。

 

認定上の争点になりやすい問題

醜状の有無は見ればわかることなので、その存否が争点になることは少ないです。

 

ほとんどの場合、争点は労働能力喪失率です。

 

ただ、モデル志望の女性が比較的軽い醜状障害で高い等級を請求し、却下された例は見られます。

 

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