【系列と序列|後遺障害等級の仕組み】

部位・機能別の障害程度

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後遺障害等級表は、いろいろな部位の障害が混ざった状態でのランク付けになっています。

 

しかし、実は眼、手、足といった系列(部位・機能)別に障害程度の序列があります。

 

それを細かい区別を取り払って等級順にまとめたものが後遺障害等級表なのです。

 

系列と序列を知ることは、より上の等級認定を申請できないか検討する際に有用です。

 

そして、障害が複数ある場合の等級付けを理解するためには、決定的に重要です。

 

後遺障害の系列

後遺障害は下表のように系列立てられています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 障害系列

 系列番号

 眼  眼球(両眼)  視力障害  1
 調節機能障害  2
 運動障害  3
 視野障害  4
 まぶた(右又は左)  欠損又は運動障害  右5左6
 耳  内耳等(両耳)  聴力障害  7
 耳殻(右又は左)  欠損障害  右8左9
 鼻  欠損及び機能障害  10
 口

 咀嚼及び言語機能
 障害

 11
 歯牙障害  12

 神経系統の機能又は
 精神

 神経系統の機能又は
 精神の障害

 13
 頭部、顔面部、頸部  醜状障害  14

 胸腹部臓器(外生殖器
 を含む)

 胸腹部臓器の障害  15

 体
 幹

 脊柱  変形又は運動障害  16
 その他体幹骨

 変形障害(鎖骨、胸
 骨、ろく骨、けんこう骨
 または骨盤骨)

 17

 上
 肢

 上肢(右又は左)  欠損又は機能障害  右18左21

 変形障害(上腕骨又
 は前腕骨)

 右19左22
 醜状障害  右20左23
 手指(右又は左)  欠損又は機能障害  右24左25

 下
 肢

 下肢(右又は左)  欠損又は機能障害  右26左30

 変形障害(大腿骨又
 は下腿骨)

 右27左31
 短縮障害  右28左32
 醜状障害  右29左33
 足指(右又は左)  欠損又は機能障害  右34左35

 

各系列内の序列

各系列の中で障害の程度が序列になっています。

 

例1)系列番号1 視力障害

視力障害については、1眼の場合と2眼の場合の系列があります。

 

視力は裸眼ではなく、メガネ・コンタクトを着用した上でのものとされます。

 

【1眼の視力障害】

等級の序列

障害の内容

8級1号

1眼が失明し、または視力が0.02以下になったもの。

9級2号

1眼の視力が0.06以下になったもの。

10級1号

1眼の視力が0.1以下になったもの。

13級1号

1眼の視力が0.6以下になったもの。

 

【両眼の視力障害】

等級の序列

障害の内容

1級1号

両眼が失明したもの。

2級1号

1眼が失明し、他眼の視力が0.02以下になったもの。

2級2号

両眼の視力が0.02以下になったもの。

3級1号

1眼が失明し、他眼の視力が0.06以下になったもの。

4級1号

両眼の視力が0.06以下になったもの。

5級1号

1眼が失明し、他眼の視力が0.1以下になったもの。

6級1号

両眼の視力が0.1以下になったもの。

7級1号

1眼が失明し、他眼の視力が0.6以下になったもの。

9級1号

両眼の視力が0.6以下になったもの。

 

序列の段差がかなり大きい事にも注意してください。

 

つまり、序列が大雑把で細かい中間の序列がないということです。

 

例えば、両眼の視力が0.1を超えて0.6までは9級です。

 

左0.2右0.1の場合、体調によっては両眼0.1を切る場合もあるのではないかと思えます。

 

もし両眼0.1以下なら6級1号です。

 

しかし、両眼0.1以下ではないと診断されてしまえば9級1号です。

 

6級と9級では保険金額は全然違います。

 

このように序列の境界にいるような場合には、どちらに入るかで保険金に大差がつくのです。

 

だから保険屋は何としても下の等級に入れようとしてきます。

 

交通事故に詳しい弁護士の力を借りながら、少しでも上の序列に入れる診断書を書いてもらうべきです。

 

例2 系列番号右18左21 上肢の欠損または機能障害
等級の序列

障害の内容

1級3号

両上肢を肘関節以上で失ったもの。

1級4号

両上肢の用を全廃したもの。

2級3号

両上肢を手関節以上で失ったもの。

4級4号

1上肢を肘関節以上で失ったもの。

5級4号

1上肢を手関節以上で失ったもの。

5級6号

1上肢の用を全廃したもの。

6級6号

1上肢の3大関節中の2関節の用を廃したもの。

7級9号

1上肢に偽関節を残し、著しい運動障害を残すもの。

8級6号

1上肢の3大関節中の1関節の用を廃したもの。

8級8号

1上肢に偽関節を残すもの。

10級10号

1上肢の3大関節中の1関節の機能に著しい障害を残すもの。

12級6号

1上肢の3大関節中の1関節の機能に障害を残すもの。

 

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