【耳の障害|部位別の後遺障害認定】

聴覚と耳介の障害

耳の後遺障害についてまとめました。

 

  • 耳の構造の基礎知識
  • 耳に関する後遺障害等級表
  • 用語の定義と等級認定ルール
  • 認定上の争点になりやすい問題
  • 耳の検査一覧

 

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耳の構造の基礎知識

交通事故の裁判では、医学的な問題が法学的な問題・事故の物理的な問題とミックスで議論されます。

 

耳の障害であれば、耳の構造や脳と耳の関係の知識などが前提とされます。

 

ここでも簡単に押さえておきましょう。

 

耳の構造

【耳の構造】

 

耳は、外耳・中耳・内耳の3つの部分からなります。

 

外耳は、体外から集音する漏斗状の構造で、耳介(みみたぶ)と外耳道からなります。

 

鼓膜は外耳と中耳の境界にある薄膜で、音によって振動します。

 

この振動がツチ骨、キヌタ骨、アブミ骨を経て内耳の蝸牛に伝えられます。

 

この3つの骨は耳小骨と総称されます。

 

中耳は耳管で喉頭とつながっています。

 

この管は普段は閉じていますが、必要に応じて開き、鼓膜の内外の空気圧をそろえます。

 

耳管は、同時に中耳の排泄口にもなっています。

 

蝸牛の中はリンパ液で満たされており、アブミ骨から伝えられた振動は液性の圧変化/波動になります。

 

これが電気信号に変換されて聴神経を通じて脳に伝達され、音が聞こえます。

 

内耳の奥には三半規管というものもあって、平衡感覚を司ります。

 

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耳に関する後遺障害等級表

種別障害の程度等級
1耳の障害 1耳の聴力を全く失ったもの第9級9号
 1耳の聴力が耳に接しなければ大声を解することができない程度になったもの第10級6号
 1耳の聴力が40cm以上の距離では、普通の話声を解することができない程度になったもの第11級6号
 1耳の聴力が1m以上の距離では、小声を解することができない程度になったもの第14級3号
耳介の欠損 1耳の耳殻の大部分を欠損したもの第12級4号
両耳の障害 両耳の聴力を全く失ったもの第4級3号
 両耳の聴力が耳に接しなければ大声を解することができない程度になったもの第6級3号
 1耳の聴力をまったく失い、他耳の聴力が40cm以上の距離では、普通の話声を解することができない程度になったもの第6級4号
 両耳の聴力が、40cm以上の距離では、普通の話声を解することができない程度になったもの第7級2号
 1耳の聴力をまったく失い、他耳の聴力が1m以上の距離では、普通の話声を解することができない程度になったもの第7級3号
 両耳の聴力が1m以上の距離では、普通の話声を解することができない程度になったもの第9級7号
 1耳の聴力が耳に接しなければ大声を解することができない程度になり、他耳の聴力が1m以上の距離では、普通の話声を解することが困難である程度になったもの第9級8号
 両耳の聴力が1m以上の距離では、普通の話声を解することが困難である程度になったもの第10級5号
 両耳の聴力が1m以上の距離では、小声を解することができない程度になったもの第11級5号

 

用語の定義と等級認定ルール

耳は目と同様に双対器官なので、片耳ずつ等級認定して併合するのではなく、両耳の定義に当てはまる等級を選びます。

 

難聴

音が伝わる経路のどこに障害があっても難聴は起きます。

 

原因となる障害のある部位により、3種類に分けられています。

 

伝音難聴 外耳から中耳伝音系までの障害が原因の難聴。感音系は正常なので、音の歪みは起きない。
感音難聴 内耳の蝸牛および、それより中枢側の障害が原因の難聴
混合性難聴 伝音器と感音器の両方に障害があって起きる難聴

 

等級における難聴の度合いの定義は定性的ですが、今はデシベル(db)値を用いた定量的な認定基準もあります。

 

その表の収録はスペースの都合上、割愛しますが、存在は知っておいてください。

 

裁判でもデシベルによる計測値が判断材料として使われます。

 

耳鳴(じめい)

いわゆる耳鳴りで、程度に応じて12級から14級相当とされます。

 

耳鳴には下記の2種類があります。

 

非振動性耳鳴(自覚的耳鳴) 音源がないのに音が聞こえる症状
振動性耳鳴(他覚的耳鳴) 筋肉の活動や血管の変化など体内の雑音が聞こえる症状。

 

耳漏

いわゆる「耳垂れ」で、外耳孔から液体が漏れ出る状態です。

 

程度に応じて12〜14級で認定されます。

 

平衡機能障害

内耳の損傷による平衡機能障害は、神経系統の機能障害の一部として扱われます。

 

認定上の争点になりやすい問題

耳の障害は、まず因果関係が問題になりやすいです。

 

  • 症状は事故による受傷が原因か?
  • それとももともとあった障害が悪化したのか?
  • あるいは加齢による老人性聴覚障害ではないのか?

 

・・・といったことです。

 

既往症があった場合、その分は割り引かれます。

 

また、交通事故で耳の後遺症が発症する場合、耳の症状のみということは少ないです。

 

多くは、頭部外傷による脳機能障害、または頸椎捻挫等による末梢神経障害とともに出現します。

 

耳の検査一覧

聴力検査
  • 純音聴力検査(オージオメータを使用して単一周波数音を聞かせる)
  • 語音聴力検査(話し声の聞こえ方をチェックする)
  • 聴性誘発反応(略称AER 音を聞かせて脳波など測定する他覚的検査)
  • インピーダンス・オージオメトリー(中耳の伝音機能を知る他覚的検査、アブミ骨筋反射検査とティンパノメトリーがある)
耳鳴検査
  • ピッチ・マッチ検査
  • ラウドネス・バランス検査
  • 耳鳴マスキング検査

 

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