【身体性機能障害(麻痺)|精神・神経の後遺障害認定】

認定対象は運動麻痺

脳の損傷を原因とする器質性身体性機能障害について説明します。

 

いわゆる麻痺のことです。

 

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麻痺の種類

麻痺には感覚障害と運動障害がありますが、身体性機能障害の認定対象は運動障害の方です。

 

麻痺は発症部位により、4分類されます。

 

四肢麻痺 両側の四肢の麻痺
片麻痺 左右片方の上下肢の麻痺
対麻痺 両上肢または両下肢の麻痺
単麻痺 上肢または下肢の一肢の身の麻痺

 

脳の損傷が原因の場合、通常は対麻痺が生じることはなく、発生するとすれば残りの3つのどれかになります。

 

麻痺の後遺障害等級基準

等級

麻痺の程度

1級

  • 高度の四肢麻痺
  • 中程度の四肢麻痺で、常時介護が必要なもの
  • 高度の片麻痺で、常時介護が必要なもの

2級

  • 高度の片麻痺
  • 中等度の四肢麻痺で随時介護が必要なもの

3級

  • 中等度の四肢麻痺(介護が必要なもの以外)

5級

  • 軽度の四肢麻痺
  • 中等度の片麻痺
  • 高度の単麻痺

7級

  • 軽度の片麻痺
  • 中等度の単麻痺

9級

  • 軽度の単麻痺

12級

  • 運動性、支持性、巧緻性、速度についての支障がほとんど認められない程度の軽微な麻痺

 

下記の3つの観点から等級付けられるということです。

 

  1. 麻痺の生じた範囲
  2. 麻痺の程度
  3. 介護の要否と程度

 

麻痺の程度に関する認定基準

麻痺の程度

基準

上肢の場合の例

高度

運動性・支持性がほとんど失われ、基本動作(※)ができないもの。

 

※下肢においては歩行や立位、上肢においては物を持ち上げて移動させること

  • 完全強直またはそれに近い状態
  • 3大関節および5本の手指のいずれの関節も自動運動によっては可動させることができないもの又はこれに近い状態
  • 随意運動の顕著な障害により、障害を残した1上肢では物を持ち上げて移動させることができないもの

中等度

運動性・支持性が相当程度失われ、基本動作にかなりの制限があるもの。
  • 仕事に必要な軽量の物(概ね500g)を持ち上げることができない
  • 文字を書くことができない

軽度

運動性・支持性が多少失われており、基本動作を行う際の巧緻性及び速度が相当程度失われているもの
  • 文字を書くことに困難を伴うもの
軽度に至らないもの 運動障害がほとんど認められない程度の麻痺は麻痺と認定せず、12級の神経症状として等級認定する

 

認定上の争点になりやすい問題

事故による脳損傷で麻痺が発生した場合、たいていは精神症状も伴います。

 

それゆえ、麻痺だけが単独で争点になることは少ないです。

 

麻痺は脳血管障害やパーキンソン病など、様々な病気でも発生します。

 

被害者にそうした既往症がある場合、因果関係などが争点になりやすいです。

 

つまり、事故による脳損傷ではなく、もともと持っていた病気が原因ではないのか、あるいはもともと持っていた脆弱性に事故が引き金を引いたに過ぎないのではないか、といったことです。

 

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