等級が繰り上がる場合がある
後遺障害が等級でランク分けされることは理解していただけたと思いますが、障害が複数ある場合はどうなるのでしょうか?
この問題に関する主要なルールを説明します。
少しでも上の等級を取るために重要なポイントです。
保険会社の説明をうのみにせず、交通事故に詳しい弁護士に徹底的に調べてもらうことが望ましいです。
このページの内容を理解するには「系列と序列」の理解が不可欠です。
まだ理解していない人は先にそれを読んでください。
異なる系列に複数の障害がある場合
左腕と左足など、異なる系列に複数の障害を持つ場合は、下記が基本ルールになります。
これを「併合」といいます。
- 5級以上の等級に該当する後遺障害が2つ以上ある場合には、重い方の等級を3級繰り上げる。
- 8級以上の等級に該当する後遺障害が2つ以上ある場合には、重い方の等級を2級繰り上げる。
- 13級以上の等級に該当する後遺障害が2つ以上ある場合には、重い方の等級を1級繰り上げる。
- 前記1.-3.以外の場合には、一番重い後遺障害の該当する等級を、2つ以上ある後遺障害の等級とする。
同一系列内に複数の障害がある場合
複数の障害があるが、すべて同じ系列内の場合、併合のルールは適用されません。
その系列の中での序列優先で決まります。
複数ある障害の中で一番高い序列のさらに上に位置付けた時、矛盾が起きないか?
これが「序列を乱す」と言われるものです。
序列を乱す場合、等級の繰り上げは認められません。
直近上位の序列との差が2等級ある時は、一つ上の等級には定義がないわけですから、序列は乱しません。
よって間を取って1等級の繰り上げが認められます。
すでに障害等級を持つ人が事故で障害を負った場合
もう一つの場合としてすでに障害者である人が事故で障害を負った場合のルールが必要です。
元の障害というのは先天性、後天性の病気、けが、以前に交通事故に遭った、など、様々な理由が考えられます。
既存の障害に事故の障害が加わる場合を「加重」といいます。